質問コーナー

質問:hiihtoloma「スキー休暇」っていつですか?

「ダイアローグで学んでみよう」の第18課に「スキー休暇」というのが出てきます。フィンランド語で hiihtoloma (hiihto「スキー」 + loma「休暇」)。時期は地域によって違うのですが,早いところでは2月の中旬からスキー休暇が始まります。

スキー休暇はちょうど日本の帰省ラッシュのような感じで,北に向かう車の渋滞 liikenneruuhka (liikenne「交通」 + ruuhka「混雑」) がニュースの題材になります。ヘルシンキ周辺では,2月14-15日の週末から今年 (2009年) のスキー休暇が始まったようで,13日の金曜日の夜からさっそく道路状況がニュースで伝えられていました。

首都で50万人,という人口を考えたらフィンランドの渋滞なんて渋滞に入らないんじゃないか,という声ももっともですが,ヘルシンキ周辺は以前から朝夕の渋滞が深刻な問題になっています。特に,不動産の価格が急激に上昇してしまっているために,多くの人が郊外に住むようになって車の需要が増えたとか。公共交通機関 joukkoliikenne (joukko「グループ」 + liikenne「交通」) の利用を促進するために,自家用車を共同で使うという フィンランド語のページ City Car Club なるシステムが推奨されているくらいです (要するに日本のレンタカーみたいなものですが,車を拾う場所,捨てる (?) 場所を細かく指定できるようです。また,このシステムで借りた車だけが駐車できる駐禁スペースがあるらしい。ヘルシンキの公共交通を運営している フィンランド語のページ Helsingin kaupungin liikennelaitos (HKL) が顧客むけにキャンペーン割引をしています [フィンランド語のページ City Car Clubの関連ニュース])。

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質問:kö のカタカナ表記は「キョ」の方がよいのでは?

のカタカナ表記を『コ』としているが,『キョ』のほうがよいのでは」というコメントを頂きました。

ご指摘は母音 ö のカタカナ表記に関するものです。日本語には ö という「円唇」母音はありませんので,カナ表記では何らかの音で代用する必要があります。フィンランド語では,「母音調和」 という規則があり (「文字と発音」5-6ページご参照ください),口を丸めない母音 (非円唇母音) と丸める母音 (円唇母音) がペアを作ります。『語学王フィンランド語』『ゼロから話せるフィンランド語』では,以下の表のとおりのカナ表記を行い,表記に一貫性をもたせました:母音 a/ä には[ア],o/ö には[オ]というカタカナ表記を常に使い,u/y のみそれぞれ[ウ]/[ユ]と区別して表記する。つまり,『語学王フィンランド語』『ゼロから話せるフィンランド語』では y のみ ヤ行音 でカナ表記されています

母音↓
子音→
非円唇母音 円唇母音
p t s k p t s k
a/ä [ア] pa [パ] ta [タ] sa [サ] ka [カ] [パ] [タ] [サ] [カ]
o/ö [オ] po [ポ] to [ト] so [ソ] ko [コ] [ポ] [ト] [ソ] [コ]
u [ウ] vs. y [ユ] pu [プ] tu [トゥ] su [ス] ku [ク] py [ピュ] ty [テュ] sy [シュ] ky [キュ]

ご指摘のように を「キョ」と表記した場合,その表記を一貫させようとすると,母音 öy と同様に ヤ行音 で表記することになります。例えば , , はそれぞれ「ピョ」「テョ (ティョ?)」「ショ」となりますが,少なくとも はかなり読みにくいように感じられます。さらに,syötkö? 「(あなたは)食べる?」は「シュヨトキョ」Töölö 「(地名)」は「テョーリョ」と,現実の発音とはかなり異なる表記になってしまうのです。

現在出版されているフィンランド語の入門書のカナ表記を見てみると,ö を場合によって「エ」や「オ」など違ったカナで書き分けているものもあるようです。『語学王フィンランド語』では,カタカナの表記をできるだけ一貫したものとすること,また発音をできるだけ見易くすること,という観点から,o/ö には[オ]という同じカタカナ表記を使い,「k の後の ö は特別に 「キョ」と書く」といった措置は行なわないことにしました (ほぼ同様のカナ表記は,松村一登先生が書かれた 『エクスプレスフィンランド語』 (白水社, CDつき版 2002年刊) に見られます)。その結果,mökki 「別荘」は[モッキ]と,työ 「仕事」は[テュオ]となり,実際にいくつかの書籍で見られる「ミョッキ」 「テュヨ」とはなりません。この原則により,例えば上述の syötkö?Töölö もそれぞれ[シュオトコ],[トーロ]とシンプルに読みやすくなるように思いますが,いかがでしょうか。

いずれにしても,カタカナ表記はあくまでも発音の「目安」に過ぎず,現実の発音とは多かれ少なかれ乖離しています。ö は日本語にはない母音ですので,音声CD (別売りです) などを参考にしっかり発音をマスターしていただきたいと思います。

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質問:matkapuhelin は通常使わない単語では?

フィンランド語を専門としている先生より,「matkapuhelin は通常使わない単語なのでは?」というご質問をいただきました。

確かに日常会話では「ケータイ」は kännykkä といい,matkapuhelin (matka 「旅行,移動」 + puhelin 「電話」) はあまり聞かれません。『語学王フィンランド語』『ゼロから話せるフィンランド語』では,kännykkä が商標登録されていることに配慮し,ダイアローグや例文 (46, 84-85ページ) では kännykkä を使い,解説でより「正式な」言い方である matkapuhelin を紹介することにしました。

Wiktionary フィンランド語のページkännykkä の項 フィンランド語のページ によれば,kännykkäNokia Matkapuhelimet Oy (現在は Nokia Oyj [Nokia Suomi フィンランド語のページ ] に統合) の登録商標で,kämmen 「手の平」と同源の känny 「手」 (= käsi) から出た言葉です (「小さいもの」を表す指小辞 -kkä がついた派生語です)。

kännykkä 「ケータイ」
kännykä-n 《属格形》; kännykkä-ä 《分格形》
puhelin 「電話」
puhelime-n 《属格形》; puhelin-ta 《分格形》
kämmen 「手のひら」
kämmene-n 《属格形》; kämmen-tä 《分格形》
käsi 「手」
käde-n 《属格形》; kä-ttä 《分格形》

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